南部のとある場所に僕が好きなケーキ屋さんがあります。


もちろん味も好きなんですが理由はそれだけじゃないんです。


僕が初めてこの店に出会ったのは約一年前。


ドライブ中にたまたま道沿いにあるピンク色の可愛い建物を見付けたんです。


入口横の看板には
『クッキー、ケーキ』
の文字。


そして店舗横の少し離れた所に椅子が置かれていてそこには見知らぬおじいちゃんが座っててこちらをｶﾞﾝ見していたのを覚えています。


そのｶﾞﾝ見おじいちゃんも気になったのですが、とりあえず無視して店の中に入ってみました。


6畳程の小さな店内には所狭しとケーキやクッキーが並べられていました。


しかし店員らしき人がいません。


あれ？出掛けてるのかな？と思ってしばらく店内を見渡してたら店の入口が開く音がしたんです。


誰か入ってきたと思い入口を見ると先程店の外にいたｶﾞﾝ見おじいちゃんが立っていて、僕にこう言ったんです。


『いらっひゃい』


……


いやアンタ店員だったんかいっ！！


と思いましたがおじいちゃんの滑舌の悪さが可愛くて僕は笑って会釈しました。

店内は狭かったんですがクッキーの種類が豊富で僕はとりあえず三つくらい選んでおじいちゃんに｢これください｣と千円を手渡しお釣りを待ちました。


おじいちゃんは僕から千円を受け取るとズボンのポケットに手を入れてゴソゴソし始めました。


いや何やってんの？早くお釣りくれよ。
っていうかこの店レジが無いな、どこにお釣りとか入れてるんだろう。


とか思いながらおじいちゃんの動向を見守る僕。


しばらくゴソゴソしたらおじいちゃんはポケットから小銭を取り出して僕に差し出し


『ふぁい、お釣り』
と言いました。


ポケットにお釣り入れてたーーっ！！


奇抜ーーっ！！


もうこの時点で僕はこの店が好きになってましたね、はい。


しかしよくお釣りを見ると50円足りなかったんですよ。


ケチかもしれませんが僕はおじいちゃんに指摘しました。


おじいちゃんは
『ほんとだ足りないねぇ。ゴメンね、もう50円玉が無いから取ってくるから少し待っててねぇ。』
と言い残し店の裏にある自宅らしき建物に入っていきました。



…1分経過…



…3分経過…



…5分経過…



………


いや遅いよっ！！


何やってんだよ！！


もうお釣りはいいから帰ろうかとも思ったんですが、既におじいちゃんに愛着が湧いてしまってた僕。


｢すいませーん｣と言って恐る恐る自宅らしき建物に入ったんです。


すると入ってすぐ右には居間があり、テレビが置いてありました。


そしてテレビの前には座ってテレビを見てるおじいちゃんがいました。


いやクラァァァァアア！！

なにテレビ見とんじゃクラァァァァアア！！


ほんともうね、ムカつきを通り越して大好きになっちゃったんです。


少しボケた滑舌の悪いおじいちゃんが。


それからというもの、近くを通ると僕はおじいちゃんに会いに店に行きます。


ほとんど会話はしません。

でもズボンのポケットからお釣りを出すおじいちゃんがいるレジの無いこのお店に毎回癒されるんです。


あっ、すいませんが場所は教えません。


たくさんの人に知られたら嫉妬しちゃうので。


偶然見付けて下さいね（笑）

前フリ長くなってしまいました、ロハスガーデン樹々｢しんちゃん｣です。


さて、先日(先日といっても3ヶ月くらい前です)とあるお客様から桃の木の苗をもらったんです。


大きくなったら綺麗な花が咲くから是非樹々に植えてほしいとの事。


あれから順調に成長してますよ☆








花が咲くのはまだまだ先ですが元気に育ってます(^O^)


花が咲いたらこのブログでも報告しますのでよろしくお願いしますね☆